MMFでご覧いただくカルコグラフィー(銅版画)は、ルーヴル美術館カルコグラフィー室が所蔵する時代もテーマもさまざまな銅版画原版を用い、ルーヴル美術館カルコグラフィー工房において、伝統の技を今に受け継ぐ版画職人によって刷り上げられた作品です。
 
カルコグラフィーとは・・・
「カルコグラフィー」とはギリシャ語で「銅板に書かれたもの」のこと。ルーヴルにあっては、同館グラフィック・アート部門カルコグラフィー室を指すと同時に、その工房で刷られた版画を意味します。

はじまりはフランス王家のコレクション
ルーヴルの原版コレクションは、17世紀に絶対王政を極めたルイ14世が、フランス王家の権勢を国内外に知らしめるため、壮麗なイベントや王宮、芸術作品などを銅版画によって記録することを奨励したことに始まります。続く歴代の王たちの下、原版コレクションはさらに豊かなものになり、革命を経た1797年、王家所有の3000枚のコレクションを引継ぎカルコグラフィー室が設立されました。

F.ショヴォー(1613-1676)作
『1662年の王のカルーセル』より
オー・フォルト、ビュラン、水彩による彩色
R.ドーテ(子)彫版/E.F.ジョマール原画
『エジプト誌』より(1809-1822)
オー・フォルト、ビュラン


N.ロベール (1614-1685)作
『王の植物』より
オー・フォルト、ビュラン、水彩による彩色
 
歴史を語る作品の数々
写真技術誕生以前、学術研究や芸術作品の複製に欠くことのできないメディアであった版画。ルイ14世の植物研究の集大成である。植物図鑑『王の植物』(17世紀後半)や、ナポレオンによるエジプト遠征の調査報告書『エジプト誌』(19世紀初)の挿絵として制作されたオリジナルの銅版画原版をそのまま用い、版画作品として現代によみがえったのが、ルーヴル美術館カルコグラフィー工房の作品なのです。


カルコグラフィーができるまで
版画技法について
その他の代表的な工房作品
ルーヴルの中でも唯ひとつのユニークさ
カルコグラフィー室の銅版画原版コレクションはルーヴルで唯一、現代作家の作品を含むとてもユニークな存在。19世紀以降、銅版画芸術の新しい創造のため、積極的に同時代作家に原版制作を依頼してきたことによります。あわせて、古い時代の原版収集も盛んに行われた結果、所蔵原版は、13000枚以上を数えるまでになりました。

P.アレシンスキー作
「旅する筆」
オー・フォルト、アクアタント