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| 1947年、第二次世界大戦の終焉に沸くパリ・モード界に、彗星のごとくデビューしたクリスチャン・ディオール。そのとき42歳。そして52歳で他界するわずか10年間に、世界に永遠の名を刻みました。はっとするほど優美なシルエット、女性である喜びを教えてくれる小物たち。モードの革命児といわれる所以は、そのコレクションの鮮烈さはさることながら、それまで限られていた人のものだったパリのオートクチュールをどんな女性でも身につけられるものに導いたその人だったからです。時を待ち、自らの封印を一気に解き放つように、時代を変えたクリスチャン・ディオール。モードを通じ彼が伝えたかったことは、着飾るだけでなく、エレガントであること、幸せであること、そして平和であること。そのすべてが生地グランヴィルにはあったといいます。 |
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| © Musée
Christian Dior |
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グランヴィルの庭にいる18歳のクリスチャン・ディオール |
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| © Musée Christian
Dior |
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1930年に撮影したリュンブの家と呼ばれたディオール家の邸宅 |
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史跡モン・サン・ミッシェルから程近くにある、19世紀に興を極めた港町グランヴィル。断崖の頂上に海に向かうように建つのが、クリスチャン・ディオール美術館です。ここで、クリスチャン・ディオールは2〜6歳を過ごし、その後27歳のとき母の死後まもなく父の破産によりグランヴィル市に買い取られるまで別荘として親しみました。一階の床のモザイク柄として配された羅針盤の風配図(Rhumbs)にちなみ「les
Rhumbs リュンブの家」と呼ばれるこの邸を、一家は慈しんでいました。イギリス海峡とアングロノルマン諸島を一望する美しい景観。この庭から見える断崖のグレー、そして邸外壁の柔らかなピンクこそが、クリスチャン・ディオールが好んで使ったあの配色の由来といわれています。 |
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1911年にカジノ(後ろ建物)が建ち、ヴァカンスの地として栄えた昔のグランヴィルの様子 |
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「私はここで過ごした最も甘美で、最も感嘆に満ちた思い出を有しています。それどころか、私の人生、私の様式は、ほとんどすべてをその境遇と建物に負っているのです」彼が熱い想いを込めて語るグランヴィル。ブルジョアであったディオール家が居を構えたこの地は、上流社会のヴァカンスとして名高く夏にはカーニヴァルが開かれました。幼い彼はその大胆な配色とデザインの衣装に心を奪われ、自ら兄妹や友人のために衣装のデザインをしていたといいます。画商、2度の大戦時代を経て、後に大恐慌で職を失った彼が思い起こしたのが、この地での幸福な日々。そして衣装をデザインしたときの興奮と喜び。「もう一度誰かのためにデザインしたい」その強い憧憬が生んだ山のようなデザイン画が、巨匠クリスチャン・ディオールの誕生へとつながったのです。その同じ空気までをも保存した美術館は、春から夏にかけて最もグランヴィルが輝く季節に開館しています。 |
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© Photo Vincent Leret
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Musée Christian Dior |
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青年のクリスチャン・ディオールが造った庭のパーゴラ |
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化学肥料の工場経営者としてグランヴィルの名士だった父よりも、芸術と自然をこよなく愛する母マドレーヌの世界でクリスチャンは育まれました。服装に敏感で、いつもエレガントな母と過ごすのがなによりも幸せな時。その母の趣味がすみずみまで行き渡ったリュンブの家。改築で広げたテラス、イギリス調の庭園や温室、洗練された家具たち。そのひとつひとつを設えていった母にならい、1930年クリスチャンが25歳のときにデザインした池周辺の生け垣とパーゴラが現在も残っています。すべてが幸せであるために存在するものに囲まれ、優雅に装う母と過ごした年月こそが、本物のエレガントが何であるかを知っているクリスチャン・ディオールの神髄を確固たるものにしたのです。 |
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© Photo Vincent Leret
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Musée Christian Dior |
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クリスチャン・ディオールの植物への愛情も、母から受け継いだもの。母マドレーヌとともにクリスチャンがつくったという、葛(くず)薔薇と蔓(つる)棚はじめ、彼が住んでいた頃の庭が、2005年クリスチャン・ディオール生誕100周年を記念してクリスチャン・ディオール美術館館長デュフレン氏の手で見事に再現されました。遠く国外から入手したエキゾチックな植物や、彼の大好きだったスズラン、シラネリアなどの花々。その芳香は、名香といわれるディオールの香水として花開きました。成功後もル・クードレの別荘に庭をしつらえ、グランヴィルの面影を再構築したクリスチャン・ディオール。名声が高まるほど、庭園に毎週末足を運び大きな安らぎを見出していたといいます。巨匠デザイナーがこよなく愛した自然と造詣が大切に残された庭園は、いつ訪れても優しく雅なひとときが流れています。 |
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© Photo Vincent Leret / Musée
Christian Dior |
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所在地:
Villa "Les Rhumbs" 50400 Granville |
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地図:こちら |
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休館日:
2005年5/15‐9/25は毎日開館
2006年以降はお問い合わせください |
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開館時間:
10:00‐18:30
2005.5.14 「美術館の夜」は19:30-翌日1:00、2005.7.16, 7.23,
7.30, 8.6, 8.13, 8.20は21:00-23:00まで開館 |
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入館料:
5ユーロ |
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URL:
http://www.musee-dior-granville.com/ |
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<耳寄り情報>
クリスチャン・ディオール美術館が開館される5〜9月は、北仏のリゾート地、グランヴィル市を訪れるのに最適な季節。ドレス、資料、オブジェのコレクションから毎年テーマが変わる企画展が開催され、何度訪問しても新たな発見があります。(常設展なし) |
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<展覧会情報>
2005年クリスチャン・ディオール生誕100周年を記念したさまざまな展示やイベントが開催されます。
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<館長インタビュー>
100周年を記念して新たになった美術館、展覧会の見所など、ここだけで聞けるお話満載です。
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