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▲新しく作られた天窓から光が射すチャペル内部
©musée Rodin
(Photo Jérome Manoukian) |
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美術館は、パリ7区セーヌ左岸、アンヴァリッドに隣接する閑静な一角にあります。ロココ様式の美しい建物は、かつての所有者の名にちなんで「ビロン館」と呼ばれ、ロダンが晩年の10年を過ごした場所。館内のほか、広大な庭園にもロダンの彫刻作品が置かれており、四季折々の自然と彫刻との競演で来館者を楽しませてくれます。その庭園の一角に佇む小さなチャペルが、ロダンの没後88周年を迎えた2005年11月、改修工事を終え、新たな企画展会場としてお披露目されました。 |
| 19世紀末の建設当初の姿はそのままに、天窓から光射すモダンな空間に改修されたチャペルに、総合受付やクローク、ミュージアムショップや収蔵庫といった機能が集められたことで、ビロン館はすべての空間を展示スペースとして利用できるようになったのです。 |
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▲改修されたチャペルの外観
©musée Rodin
(Photo Jérome Manoukian) |
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▲パリでもっとも美しいロココ建築のひとつ
©musée Rodin |
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現在、ロダン美術館として使用されている建物は、1728年〜1730年にかけて造られました。設計を手がけたのはシャンティイの大厩舎の建築で知られるジャン・オーベール。彼はヴェルサイユ宮殿の天井画を描いた宮廷画家フランソワ・ルモワーヌの手を借りて、ロココ芸術の粋を集めた建築を完成させました。この屋敷が「ビロン館」の名を得たのは、幾人かの所有者を経た1753年、フランス衛兵隊の総司令官ビロン将軍が館を手に入れて以降のことです。 |
| 将軍は建物にはほとんど手を加えませんでしたが、庭園をパリ有数の美を誇る姿に変貌させました。その後、1820年にこの領地がサクレ=クール修道会の手に渡ると、庭の一角に小さなチャペルが建てられ、屋敷からは華美な装飾が拝されていきました。 |
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「私が今朝から住むようになったこの美しい建物を、ぜひ見にいらしてください。……まるで古いタピスリーのようです」。1908年、詩人リルケは敬愛するロダンに手紙を送りました。修道会の手を離れたこの屋敷は、当時、安く貸し出されており、リルケの他、詩人ジャン・コクトー、画家アンリ・マティス、舞踊家イサドラ・ダンカンなど、その野趣溢れる雰囲気に魅了された多くの芸術家が暮らす場となっていたのです。
リルケの招きに応じてやって来たロダンは、さっそく庭に面した1階の部屋をいくつか借りることにします。わずかな調度品と自らが収集した絵画や古代彫刻のコレクション、そして自作に囲まれて制作に没頭できる空間──。 |
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▲アトリエでのロダン。右奥は『バルザック像』
©musée Rodin
(Photo Eugène Druet) |
| ビロン館をことのほか気に入ったロダンは、ほとんどの時間をここで過ごすようになり、その2年後の1911年、国がこの領地を買い取ることになった際にひとつの提案をします。「全作品と美術コレクションを寄贈する代わりに、この館を自らの美術館に」 |
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▲ロダンの作品と古代彫刻コレクションのある展示室
©musée Rodin |
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政治家クレマンソーをはじめ、詩人アポリネールや画家モネ、作曲家ドビュッシーなど、多くの文化人がロダン美術館設立を支持しましたが、その一方で反対の意見もありました。当時すでに、彫刻の巨匠としての地位は確立していたものの、あまりにも革新的な作風は、保守派には受け入れられるものではなかったのです。長い論争が続く一方で、最晩年を迎えたロダンの肉体と精神は一歩一歩、着実に衰えていきました。 |
| そして、ロダンのそんな状態を利用するかのように、その莫大な遺産を狙って策を弄する女性たちがビロン館に出入りするようになり、作品の盗難事件まで起こるようになります。この状況を危惧した友人たちの働きかけで、1916年、ようやくロダン美術館の設立が決定。その1年後の11月17日、ロダンは2年後に控えた美術館開館を見ることなく、この世を去りました。 |
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ロダンの彫刻6600点、デッサン7000点のほか、彼が収集した絵画や古代彫刻のコレクションを収めるロダン美術館には、現在、年間50万人もの人々が訪れます。来館者のお目当てのひとつは、随時、行われている企画展。現在、ビロン館では「ロダン、手が人を露わにする」が開催中です。『カテドラル』や『神の手』、『悪魔の手』など「手」を題材とした数多くの名作を残したロダン。体の一部分としての手ではなく、それ自身として独立した手というテーマに取り組み続けた彫刻家とその制作の過程に迫る興味深い展覧会です。
かつてロダンが愛用したソファーに腰かけ、緑溢れる庭にさりげなく置かれた彫刻を眺める──。まるでロダンがここで暮らした20世紀初頭にタイムスリップしたような感覚が味わえるビロン館は、訪れる度に私たちを魅了してやまないミュゼなのです。 |
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▲「ロダン、手が人を露わにする」で展示される『神の手』
©musée Rodin
(Photo Christian Baraja) |
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▲「ロダン、手が人を露わにする」で展示される『恋人たちの手』
©musée
Rodin |
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所在地 |
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| 79,
Rue de Varenne 75007 Paris |
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休館日 |
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| 月曜日 |
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開館時間 |
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9時30分〜17時45分
(10月〜3月は9時30分〜4時45分)
※受付は閉館時間の30分前まで |
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入館料 |
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一般:6ユーロ/18歳以下:無料
庭園のみ:1ユーロ
※展覧会期間中は一般7ユーロ |
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URL |
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展覧会情報 |
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「ロダン、手が人を露わにする」
開催場所:ロダン美術館
会期:2006.2.7−2006.5.28 |
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「ロダンとカリエール」
開催場所:国立西洋美術館(東京)
会期:2006.3.7―2006.6.4 |
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