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大政奉還を数ヵ月後に控えた幕末の1867(慶応3)年4月、遠く海を渡り日本からパリの地に到着した焼き物がありました。パリの万国博覧会に出展された薩摩焼です。現在の鹿児島県、鹿児島港を中心に広がる地域にあった薩摩藩領は、外国との文化交流、貿易の窓口として古くから、重要な役割を果たしてきました。
とくに桃山時代の1592〜98(文禄1〜慶長3)年に豊臣秀吉が行った朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に参加した領主島津義弘は、朝鮮から多くの陶工を連れ帰り、以降、鹿児島城下をはじめ各地に開かれた窯では、おもに茶の湯のための白薩摩や日用雑記として作られた黒薩摩などが盛んに生産されるようになりました。 |
| そして1867年、対外貿易によって莫大な富を蓄えた薩摩藩は、幕府とは別に日本の一地域として、国際的博覧会であるパリ万国博覧会に参加。藩主のみに使用が許されていたといわれる、白土を使った白薩摩は、フランスの人々の注目と称賛を集めることになります。白地に赤や青、緑、金彩が施された豪華でいて繊細な薩摩焼は、熱狂的に支持され、その後薩摩の陶工たちは色絵金彩をふんだんにあしらった装飾性豊かな作品を量産し始めます。西洋人の好みにあわせて花瓶や香炉を制作、茶碗の内側は花鳥や虫獣文様で覆われることになりました。 |
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▲セーヴル陶磁器美術館
©Andreas Licht |
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「サツマ」の名はこうして「日本陶磁器」の代名詞となり、質のよさを裏付けるものとなりました。そしてジャポニズムの流行とともに薩摩焼はフランスの芸術家たちに多大なインスピレーションを与えることになったのです。1867年に続く1878年のパリ万博ではさらに表面の探究や釉薬の重ねがけに特徴づけられる、芸術性の高い陶磁製品が生み出され、一般の人々の陶磁器に対する見方を変容させました。ベル・エポックの時代のフランスで活躍した陶工であり彫刻家のジャン・カリエス(Jean Carriès)は日本の陶磁器から影響を受けた作品制作の第一人者でしたたが、エミール・ガレ(Émile Gallé)による金粉を施した自然主義的装飾、花柄をあしらったセーヴル焼やリモージュ焼にも薩摩焼の影響が強く見られます。 |
薩摩焼がパリの人々の注目を浴びた1867年の万博から140年を迎えた今年、日本が誇るこの陶磁器が再びフランスの地を踏むことになりました。セーヴル陶磁器美術館で11月20日から翌2月18日まで開催される「薩摩焼パリ伝統美展」では、17世紀から19世紀にかけて制作された薩摩焼約150点が出品されます。さらにカリエスやガレ、ドーム兄弟(Auguste Daum,Jean-Antonin Daum)の作品や、セーヴル焼など約40点を通じてフランスにおける薩摩焼の影響を探ります。日本とフランスの深い文化交流の一端を垣間見られる興味深い展覧会です。
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会期 |
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| 2007.11.20-2008.2.18 |
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会場 |
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所在地 |
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| Place de la manufacture, 92310 SÈVRES |
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Tel |
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| +33(0)1 41 14 04 20 |
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URL |
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開館時間 |
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10:00-17:00
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但し、木曜日は21:00まで開館
土・日曜日:10:00-18:00 |
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休館日 |
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| 火曜日、祭日 |
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入館料 |
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一般:4.5ユーロ
割引:3ユーロ(18-25歳、失業者など)
企画展期間中はさらに1.2ユーロ増し |
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アクセス |
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| メトロ ポン・デ・セーヴル駅(Pont de Sèvres)下車。 |
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