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03.日本とアンリ・チェルヌスキ〜旅、コレクション、美術館〜 コンデ美術館−シャンティイ城 フォンテーヌブロー城美術館
コンデ美術館−シャンティイ城
シャンティイ城 の誕生   フランス最後の 王の息子   新ルネサンス 様式の城   珠玉の 美術コレクション
フランス国内ではルーヴルに次ぐ近代絵画コレクション
▲天窓から差し込む柔らかい光が、絵画鑑賞に理想的に設計されたギャラリー。
© Martine Savart
 城の内装は改築開始当初から、オーマル公の絵画や工芸品のコレクションを陳列するという考えの下に設計されました。絵画を飾る部屋の数々には、絵を鑑賞するために最適とされていた天窓がはめ込まれ、大居室には、先祖に縁の品を飾り、当時の面持ちを伝えるために18世紀の家具コレクションを中心に装飾が行われます。それに反して、1階のオーマル公の居住空間は、19世紀当時の様式を中心とした、簡素で近代的な、機能性も重視した設計になっています。
実は、シャンティイ城は、フランスで初めて空調設備が整った建物のひとつでもあったのです。
 19世紀半ばをすぎると、18世紀の工芸品の、いわゆる「リバイバル現象」が起こり、裕福な人々は18世紀の家具を探し求め、ブルジョワ階級は18世紀“風”の品を職人に作らせました。これは、現在のアンティーク・コレクターが、ちょうど1世紀くらい前の品、印象派やアール・ヌーボーに魅力を感じるのと同じことなのでしょう。
 絵画に関してもほぼ同じようなことが言えます。革命直前、直後から19世紀初頭には空前の「北方絵画ブーム」(特に17世紀の作品)が起こり、オークションで最高値で取引されるのは常にオランダやフランドルの風俗画だったのですが、この頃になるとその風潮は少し落ち着き、オーマル公のコレクションでもイタリアのルネサンス絵画や、フランスの17世紀から18世紀の作品が目立ちます。
▲ギャラリーに飾られた数々の宗教画。
© Lina Nakazawa
 宗教画を礼拝堂などではなく、ギャラリーに飾るというのも、真のコレクショニズムが浸透し始めた19世紀以降ならではのことです。
 
▲オーマル公の私室を結ぶ廊下。
© Lina Nakazawa
 また、オーマル公は、同時代の画家たちの作品も、注文したり購入したりしています。幼い頃の教育の賜物でしょうか、公は真の貴族的精神、いわゆる「ノーブレス・オブリージュ」の精神を備えていました。「同時代の一流の芸術家に注文し、芸術を振興することこそ、財力ある者の特権である」という言葉を残しています。
 しかし、この愛する場所で彼が過ごせた時間はあまり長くありませんでした。1880年代に入ると、政情は王族にとってますます冷たいものになってきます。オーマル公は我が身と城、そして城を飾る彼のコレクションの安全と名誉を守るため、城を含む領地とその内部にある美術品をすべて、一般に公開することを前提に、自ら会員であったフランス学士院に贈ります。
ただし、「絶対に陳列品の配置を変えないこと」、「コレクションを常に完全な状態で保管する、よって貸出を禁止する」という条件が出されました。
 現在でも変わらず、シャンティイ城はフランス学士院が所有していますが、オーマル公が出したその2つの条件のおかげで、19世紀の姿をそのまま保っています。これは博物館学という観点から見ても、非常に興味深い研究資料となっています。当時の絵の飾り方や美術品の趣味などを知るのにも、比類なき証人なのです。
▲ルイ14世の従兄弟でライバル、「グラン・コンデ(大コンデ)」ことコンデ公ルイ2世(1621〜1686年)の肖像が飾られた部屋。
© Lina Nakazawa
 城の中を歩いてみると、オーマル公の意志、教養、祖国や祖先を愛し敬う気持ち、誇りといった、彼の人となりを感じさせるものにあふれています。ここは、消え去り行く絶対王政の時代の姿を、フランス最後の王子が後の世代に伝えるために、祖国へ託していった遺産なのです。
 
▲フランソワ=ユベール・ドゥルーエ(François-Hubert Drouais)《ベベに扮した王太子妃マリー=アントワネットの肖像》
1773年 油彩 キャンバス
© Lina Nakazawa
▲アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン(Alexandre-Gabriel Decamps)
《泉の傍のトルコ人の子供たち》
1846年 油彩 キャンバス
© Lina Nakazawa
 
コンデ美術館 美術コラム ≪ラ・リヴ・ド・ジュリーの書物机≫

文:中澤理奈(Lina Nakazawa)
写真:美術館提供、中澤理奈、RMN

シャンティイ城 の誕生 フランス最後の 王の息子 新ルネサンス 様式の城 珠玉の 美術コレクション
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コンデ美術館−シャンティイ城
所在地
Château de Chantilly - Musée Condé
BP 70243
Tel
+33(0)3 44 27 31 80
URL
http://www.chateaudechantilly.
com/
開館時間
<5月22日-11月4日>
10:00-18:00
<11月5日-3月21日>
10:30-17:00
休館日
火曜日
入館料
一般:10ユーロ
割引料金:7.5ユーロ
17歳以下:無料

アクセス
パリ北駅(Nord)からコンピエーニュ方面の列車に乗り(SNCFで27分、RERで45分)シャンティイ・グーヴュー駅(Chantilly Gouvieux)下車、タクシーで約10分。


MMFで出会えるコンデ美術館
MMFインフォメーション・センターでは、コンデ美術館‐シャンティイ城のカタログをご覧いただけます。
また、パンフレットもご用意しています。


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